先生愛!~もう1つの片思い~

確か……持っていく部屋は、二階のはず。
もういい加減覚えてもよさそうなのに、どうも前の病院とだぶってどっちがどっちだったかわからなくなるのだ。

そうそう、二階だったよな。
半ば強引に自分に言い聞かせるように繰り返した。
二階は、この病院内でも大きめのショップがもうけられており、昼時になると、患者だけでなく、看護師や医師たちもが昼御飯を求めてごった返し、まさに戦場とかすのである。
俺はそれを頭で想像しながら、ぞっとしつつ、エレベーターの 下 のボタンをおした。

チーン、という若干チープな音が鳴り、上階から降りてきたエレベーターが口を開いた。
山のようなカルテが俺の視界を遮り、前がよく見えない。ゆっくりと開いたドアのほうへ進んだ。

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