先生愛!~もう1つの片思い~

ドン!

鈍い音と共に、鈍い痛みが体を襲った。
ゆっくりとスローモーションのように、山積みだったカルテが、ばっと宙を舞った。

気づいたときには尻餅をついていた。カルテが、花開いた床の上に。

前を見ると、おそらく、この惨事の原因となったであろう人が申し訳なさそうに立っていた。

「あの!すみません……!」

白衣の女性が、俺の下に散らばったカルテをかき集めだした。

「いえ……大丈夫ですから……!」
俺も急いで腰を上げて、カルテを拾い集めた。

その女性と、ぱっと目があった瞬間、あっ!と思わず声をあげそうになった。



その女性が……女性が……、
柊しおりに……
ずっと、会いたかったあの、柊しおりに
似ていたからだ……。




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