先生愛!~もう1つの片思い~
「失礼します、頼まれていたカルテです。」
竹下医師が指示した部屋を覗いてみたが、誰もいない。
仕方がないので、奥へはいって、一番奥に置いてある机の上に、どかっ、と山積みのカルテを置いておいた。
ふぅ、っと息を軽くはいて、前髪をかきあげた。
どうも調子が狂ってしまったな。
もう一度、よく整理してみる。
今まで気付かなかっただけで、あの看護師はもともとこの病院に勤務していたのか、それとも、今年度新しく赴任してきたのだろうか?
そしてーー彼女は、一体誰なのか?
そして、どの病棟担当なのか?
あらゆることが噴水のように俺の頭のなかに沸き上がり、一斉に溢れみたしだした。
確か、ぶつかったのは、四階。
四階で勤務しているのか?
四階、といえば……小児科病棟だったか?
一か八か……だな。
俺は、軽く白衣をひっぱり、気合いをいれた。