先生愛!~もう1つの片思い~
ヤバイ。俺……
どうすりゃいいんだ…??
必死に頭を回転させた結果でた言葉は、
「っ…てのは嘘。こういうの1回やってみたかったんですよ。」
だった。
…まあ…わざとらしいが、まだ、許容範囲だろう。
とりあえず、わざとらしくないようにニッコリと笑って、俺は、壁から離れた。
「はっ!?」
彼女は、小さな声で、呟いた。
涙を出しそうな顔で悔しがっているような表情の彼女。
ヤバイ。やっぱり、これは誤魔化しにも度が過ぎたか……
申し訳ない、という気分と共に、
何故だろう?
ちょっと、楽しいような、面白いような、
いい気分……
この気分、彼女が入院していた時以来の気持ちだな。
俺は、自分の本心を言えないもどかしさとともに、淡い回顧に浸っていた。
ノスタルジー。