先生愛!~もう1つの片思い~
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あれからもう半年近くたっただろうか。
彼女も大分仕事に慣れたようで、てきぱきと働き、俺も仕事やりやすかった。
そして、初めは緊張しっぱなしだったが、段々慣れ、可愛らしいな、と思うこともやはりあるが、仕事中はしっかり仕事に集中し、公私は分けていたことは言うまでもない。
夜も近くなってきたので、彼女はもうナースステーションの方へ帰っていた。
俺は、切っていた携帯の電源をいれると、
着信、一件。
誰からだろうと見てみると、お袋からだった。
何かあったのかとおもい、そのままかけなおした。
しばらくの呼出音のあと、思っていたより明るくハツラツとしたらお袋の声が聞こえた。しばらくぶりに聞いた声だった。
「はい、尾上です。」
「あ、オレ。大輔。電話、何だったの?」
「ああ、大輔ね。あのね、またね、いいお話を頂いたから、しらせとこうと思って。」
「いい話?いい話ってなんの?」
おれは話の意図がよく掴めないまま、尋ねた。
「あら、お見合いじゃないの!!」
お袋は声のトーンをあげて、言った。
「お、お見合い?!」
俺は、予想外の返事に思わず声を上げた。
「もう相手の方の写真はそっちに送っておいたからね。」
おれの気そっちのけでお袋はペラペラと続けた。