先生愛!~もう1つの片思い~


日々流れてく日常。
その毎日が、本来なら単調で、退屈で、マンネリ化するはずなのに、
全てが新鮮で、新しくて、生き生きしている。

それは、紛れもなく、彼女の存在のおかげだろう。
彼女が俺の一筋の光ともなり、そよ風にもなり、陽だまりにもなり。
幸せの象徴なのだ。
その幸せは目の前にあるのに、掴めない。
つかもうと手を伸ばす勇気がないし、伸ばして掴んでみようとしても空を掴むだけ。
まるで、目の前で猫じゃらしをふられて、それを捕まえようと戯れる、猫の気持ちがわかるようだ。

もどかしく、はがゆくて、でもそれがいい具合にこそばくて。

こんな幸せな日がずっと、続いてくれたらいいのに。
続いてくれよ。
そう思いながら、日々を過ごしている。


よし、もう今日は彼女に会うことはないけれど、また明日、会える幸せのために頑張って働こうじゃないか!

手をパン、と軽く鳴らして、俺は打ち合わせ室へと足を早めた。


その足取りは、今にも空を駆け上れそうなくらい、軽いものだった。



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