先生愛!~もう1つの片思い~
電気もつけずに,真っ暗な部屋の中の2人。
「しょっぱい。キスの味。」
俺は、自然に笑がこぼれた。
そんなこと、初めての経験だった。
「私…今…すごく幸せ…。夢みたい…。」
彼女は潤ませた瞳で俺を更に誘惑する。
「俺も…。幸せ…夢みたい…これからはやっと、俺の気持ちの赴くままに、動ける。
嘘をついて、抑えなくていいんだな…」
こんなに素直な気持ちを口にしたのは初めてではないか。
すらすらと、心の底から本音が沸き上がってきた。俺を更に強くさせ、突き動かす。
再び、唇を重ねた。
さっきよりも長くて、美しい、キス。
更に、大きな幸せが俺の心を支配してゆく。
「幸せにするよ…しおり…」
俺は心からそう誓った。
「大好き…大輔…」
その声で、その口から聞きたかった。
こんな美しい響きがあるのかと、耳を疑うほど甘美で幸せなトーンだった。