先生愛!~もう1つの片思い~
甘い、甘い診療時間
大きな窓ガラスから差しこんでくる光を浴び、仮眠をとっていた俺は、ソファーの上で目覚めた。
今日は彼女の夢を見た。
あどけなく笑う、彼女。
足も動くようになり俺の目の前を走り回る、彼女。
先生、先生って…
何度も呼んでた、彼女。
可愛かったなあ~
ポケ~っとしている、俺。
いかん、いかん。
そんな調子じゃ俺…もたねぇな…
フッと軽く笑った。
俺大分彼女の虜だわ…。
舞い上がっている俺も…明日でおさらばかな…?
急に悲しくなった。
予定では、彼女の退院日は明日なのだ。
はぁ。
長い、深い溜め息がもれる。
まあ…傷も予想以上に深いし、様子を決めて延期してもいいがな…
よしっ、とソファーから立ち上がり、顔を叩いて、彼女の部屋へと赴いた。
「あ、その前に、歯磨こ。」