レンタるな恋人

恋汰から見た琉菜

約束したカフェで俺は、琉菜が来るのを待った

琉菜っていうのは岩永先生のこと

俺は琉菜が望む『恋汰』となった
…といっても特に琉菜からの注文はなかった

玲の指名をしたが、玲は半年先まで予約がいっぱいだ

だから俺にした


どんな格好がいいのか
どういう性格がいいのか

何も言わなかった

…というか、姉貴から渡された資料には何も記入されてなかった

だから俺はスーツを着てみた

琉菜は社会人だから、それに似合う格好をしてみた


俺は腕時計を確認する

約束した時間を1時間もオーバーしている

俺はカフェで一時間、待ち呆けを食わされている


あと30分しても来なかったら、姉貴に文句を言おう
そう思っていると
琉菜が駆け足で店に飛び込んできた


「す…すみません!」

俺の前で足を止めると、頭を下げた

「別に」

「仕事が終わらなくて……」

「夕飯、食った?」

「いえ……」

琉菜は頬から流れる汗を、手首で拭った

化粧はすっかり剥がれおちている

琉菜の持っている鞄は昔から使っているモノなのか
それとも誰かが使っているのを譲ってもらったのか

ずいぶんと疲れている鞄だった

「んじゃ、飯を食いに行くか」

俺は椅子を立つと、琉菜が俺の袖をつかんだ


「あの……私とセックスをしてくださいっ!」

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