レンタるな恋人
俺は美容院の待合室で雑誌を読む

琉菜は髪を洗って、長く黒い髪を切ってもらっている

いつもポニーテールで一つに纏めていた重たそうな髪が

若干茶色に染めることで明るくなり
そして前髪を斜めに流すことによって
顔がシャープになった

重たい後ろ髪もボブにして毛先にパーマをかけて
ワックスで遊ばせるだけで

ずいぶんと印象が変わった


30代前半の疲れた主婦から


20代前半の若々しく活発な女性へと変身した


首から上は…だけどな
…というか髪だけな



俺は琉菜に近づくと
ポケットに入っているアイライナーを取り出した

「ちょっと我慢しろよ」

俺は鏡の中にいる琉菜に告げると、琉菜の前髪を持ち上げた

なんの手入れもされていない眉にラインをいれる

鼻を始点にして、目の中心を通って眉山を決める

そしてまた鼻を視点にして、目尻を通って眉尻を決める


それから琉菜の目の形に合わせて、アイラインを入れた


またポケットから眉毛を切るハサミを出すと、余計な眉毛を切り落とした


「よし」

俺は鏡にうつる琉菜を見た

仕事帰りの琉菜とは大違いだ

すっげー明るくなった

真面目一直線な女ではなく
遊び心をもった明るい女性へと変身した



何度も言うが首から上が…な
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