レンタるな恋人
「に…似合う?」

ピンクのスーツを着て、試着室から琉菜が出てきた

「ああ、もちろん
もっと背筋を伸ばせよ
仕事でも着れるのを探してるんだ」

「ええっ?
仕事にこれは…着れないよ」

「どうして?」

「スカートが短いし、色だって」

琉菜が着ているスーツを見つめた

「スカート?
膝より少し短いだけだろ
座ってもパンツは見えないから平気だろ
琉菜は足が奇麗なんだ
もっと見せた方がいい
服の色も、明るい色にしろよ
白い肌なんだから、暗いのは似合わない

んじゃ、次
これ、着てよ」

俺はオレンジのスーツを渡した

俺は試着室の前で腕を組んだ

「彼女ですか?」

「ええ、可愛いでしょ」

俺は店員に笑顔を見せる

女性店員の顔が明るくなる

「好きなんですね」

「世界一ね」

「羨ましい」

「どうも」

店員が離れていくと
着替え終わった琉菜が出てきた

「どう?」

「う~ん、色はいいけどパスだな
胸があきすぎて下品だ
足は見せても、胸は見せるな」

「そうなの?」

「琉菜の場合はな」

ただ俺が嫌なだけ…とは言うまい
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