レンタるな恋人
「明日、朝にくるから寝坊するなよ」

琉菜の玄関で俺が口を開いた

琉菜の化粧品だけ見た俺は、すぐに玄関へと向かった

俺の指にも琉菜とおそろいのリングが輝いている


「本当によかったの?
指輪とかって……後々まで残るものだし」

俺がちらりと指輪を見たのを気にしたのだろうか

俺は靴を履くと琉菜の顔を見た

「ご褒美だよ
琉菜は頑張ってるから
明日のデートのとき、ちゃんとつけて来いよ」

俺は頭を撫でようと琉菜の頬まで手が上がっていた

はっとして思わず俺は、拳をつくって頭を撫でるのをやめた

つい触れたくなる
気を抜くと琉菜の体に触れようとしている自分がいた

琉菜は中途半端に上がった俺の手をしっかりと見ていた

じっと俺の手を見てから、俺の目へと視線が動いた

「悪い…ごめん
ついその…頭を撫でようと思って」

「うん、撫でて」

「え? いいの?」

「うん、撫でてもらいたい」

琉菜が笑顔になった

俺は拳をほどくと、指先で琉菜の髪をいじりながら頭を撫でた

「じゃ、明日な」

「うん、明日ね」

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