レンタるな恋人
俺は姉貴に押し付けられた仕事をこなすと家に帰った

自分の部屋に入ったのは午前6時

仕事のない日の起床時間だ

…てことは寝る間もなく俺は学校に行く

シャワーくらいは浴びられるだろう

「あー」
声を出しながら背伸びをすると、窓から差し込む光を見つめた

良い天気だ
寝不足の目には酷く染みる光だ

「あ、やっと帰ってきた」

姉貴が俺の部屋に入ってくる

「んだよ、ノックぐらいしろよ」

「今夜から3日間、あんたのレンタルが決まったわ
詳細は印刷してあるから、読みなさい」

クリアファイルをぽんと差し出された
俺は受け取ると、姉貴の顔を見る

「また玲の代理?」

「そうよ
あんたいつだって誰かの代理」

「はいはい
岩永 琉菜……」

ん?
俺は首をかしげた

聞き覚えのある名前に眉間に力を入れた

聞き覚え…というよりこの字の並びに見覚えがある

どこで見たんだ?
この名前を



俺は思い出すと、大きく息を吐いた


担任だ

高校のクラス担任と同じ名前だ!

まじかよ

まさか担任なわけねえよな?

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