わたあめ―kimi to hajimete―


翌日―


私は携帯の着信で目を覚ました。

「………ふぁ、誰?……」

「お姉ちゃん!おはよ〜♪」

……この声……

「……雪君?」


「当たり!お姉ちゃん、
一緒にお盆祭り行かない!?」



「…お盆祭り??
雪君、今日はお出かけするんでしょ??」


「そう!あのね…!」


後ろのほうから「ちょっと貸して。」と聞こえてきた。

「もしもし、香弥乃ちゃん?
春の母だけど…」


「あ、おはようございます。」


「おはよう。
あのね、春に聞いたんだけど
お盆はずっとお家にいるんでしょ?」


「はい、そうですけど。」

「もしよかったら、
一緒にお出かけしない?」



「……はい?」

…なんで??


「いとこの家ね、旅館を経営してるから部屋はあるし、温泉も露天があるし、明日は盆祭りもあるの。」

「はぁ…。」


「今から迎えに行くから準備しててね♪」


「え?!あの、ちょっ……」

プープープー


神田のお母さんって
フレンドリーとは思ってたけど……。


そうだ!!
アキに相談しよう!!

急いで電話帳を開いてアキに電話をしたら予想外の返事をされた。

『行ってらっしゃい♪』

「………は!?」

てっきり断り方を教えてくれるのかと思ったのに。

『カノが1人で居るのは心配だったけど、ハルの家なら私も安心出来る。』

「あのねぇ……」

『ハルのママってフレンドリーでしょ?(笑)』

「あの家の人みんなそうだよ……。」


『あ―確かに(笑)
じゃ、頑張ってね♪』





そう言って切られた電話をしばらく眺めていた。
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