わたあめ―kimi to hajimete―
お祭り会場は人で溢れていた。
「あれ……みんなは…」
辺りを見回すと、前の方に神田の後ろ姿を発見した。
「あ………」
かなり離れてしまった。
どうしよう…。
とりあえず、この人混みから抜けなきゃ。
屋台の裏はあんまり人がいないからそっちを通って前に進むと神社を発見して、そこで休むことにした。
「人……多いなぁ…」
なんでみんなぶつからずに歩けるんだろう…。
そんなことを思っていると、横から声がした。
「あれ〜、今1人??」
(なに?この人達……)
「ねぇ、俺らと祭り行かない?」
「行かない。あっち行って。」
「そんなつれないなぁ。
ほら、俺らといたほうが楽しいよ?」
そう言って腕を引っ張り出した。
「ちょっ、行かないってば!
離してよ!!」
「離しませぇ―ん♪」
あぁ、もう!!
相手は2人だし!
よし!やるか!!
「分かった!
一緒に行くから離してよ!!」
男たちは腕を離して振り返る。
「その前にあっちに行こ?」
そう言って私は神社の裏に行く。男たちが後ろからついてくるのを感じながら。
「さてと……」
この辺りでいいかな…
後ろを向くと下品な笑みを浮かべた男たちがいた。
「急に積極的だなぁ」
「まぁ、楽しもうか」
そう言って1人の男が近づいてきた。
「はっ!!」
私は力一杯、急所を蹴り上げて前のめりになった男の鳩尾に一発入れて気絶させた。
「なにすんだこのアマ!!」
もう1人、殴りかかってきた男の拳をかわして、
同じ要領で気絶させた。
「帰ろっかな……。」