わたあめ―kimi to hajimete―
「あぁ―――!!!
橘先輩がいる――!!」
いるけど、なぜ叫ぶ??
とりあえず、挨拶しとこ。
「明けましておめでとう。
佐藤君。」
「おめでとう……って、
違う!!」
佐藤君…壊れてる…??
周りのスタッフを見ると
面白そうに見物している。
「先輩!!」
「なに??」
せっかくだし、話聞いてみよう。
「俺は前から言いたいことがあった!!」
敬語がなくなった。
もともと私の方が下だから
構わないけどね(笑)
「どうして………」
何だろう??
後ろのスタッフも聞き耳をたてている。
「ケータイ替えたんだ――!!!」
………はい?!
「俺は!夏休みにここに来てた!」
うん、そだね。
「そん時、綾乃ちゃんに会って、ケー番交換したんだ!!」
ちゃん付けになった。
番号交換したのはバイト期間が2ヶ月だったから、もし何かあった時用にだ。
「夏休みが終わってからも連絡取りたかったのに!!勇気出してかけたら『現在使われていません。』って…酷いだろ――!!」
だろ――って言われても……。
「この冬休みにもう1回交換して貰おうと思ったけど!!」
けど……?
「いっつも、忙しそうだし、1人になることめったにないし!この間のXmasだって!アイスノン持っていったら既に矢野さんがいるし!!!」
「それはすみません(苦笑)」
「その帰りに1人だったから、チャンスと思ってたらなんかむっちゃ泣きそな笑顔だったし!!!」
………えっ!?
「それでも、話かけたらはぐらかされるし、なんか男が迎えに来るし!!!
彼氏いないって言ってたのに―!!!……すー」
佐藤君は言うだけ言って再び眠った。
(い、言い逃げしないでよ。)