わたあめ―kimi to hajimete―
「そうだ!店にはずっと『綾乃』でいたいから、そのままにしておいてね!」
店に『香弥乃』はいらないから…
『そんなもの知るか!!』
「お姉ちゃんがあの店で
『働きながらピアノ弾きたい』って言ってた理由分かっちゃった!みんな素敵な人だったなぁ〜…」
本当に素敵過ぎて、自分の思い出にならないのが少し辛くなった。
「和君、もう、罪悪感で
私の近くにいなくて済むから、安心してね…」
『なっ…!ちょっ!!』
「そろそろ切るね!
それじゃ!」
『おい、待て……』
プープープー
この灯台には逸話がある。
この灯台の崖から飛び降りて、生きていたならまだ死ぬなという証拠。
さぁ…
飛び降りてみようかな。
ねぇ、お姉ちゃん、
私はまだ生きてて意味があるのかな?
(………っつ〜〜〜……)
私は常に持っていたカッターナイフで手首を切った。
バイバイ……………
私は崖から身を投げた。
何か唄が聞こえてきた。
視線を感じる………。
誰??……お姉ちゃん!
お姉ちゃんだ。
お姉ちゃんの唄はやっぱり綺麗だな。
………!
もしかして近くには…
……あ!雅君!!
2人は川の向こう岸にいた。私は…見ると川の真ん中に立っていた。
お姉ちゃんと雅君がこちらにやって来た。