わたあめ―kimi to hajimete―
ガチャン――
「川崎先輩??いますかー??
ホールが混んで…」
中から出て来たのは、
見習いの中川さんだった。
「綾乃……ちゃん??」
指をさしたらいけないんですよ??
「お久しぶり…です。」
「えぇ――――!!!
うわっうわ――――!!」
「ちょ、中川さん!
ホールに聞こえます!!!」
中川さんの叫び声には
私も川崎さんも驚いて涙がとまっていた(苦笑)
予想通り、叫びを聞きつけたシェフ達が裏口に続々と集まってきた。
叫びこそはしなかったけどみんな中川さんと同様の反応をした。
「あんた達!今はお客様第一の時間でしょ!!さっさと持ち場に戻りなさい!!!」
川崎さん……怖い……。
「あの……」
シェフ達が慌てて持ち場に戻ったところで、川崎さんに話しかけた。
「取り乱して、ごめんなさい。」
「いえ、私の方こそ
何の連絡も出来なくて
すみませんでした。」
「体のほうはもういいの?」
「あ、はい。」
「そう……じゃ」
バシィィィ
頬に痛みがはしった。
「なんでかは分かってる?」
「みなさんに……
迷惑や心配を……」
かけてしまったから。