わたあめ―kimi to hajimete―


はぁ…はぁ…
近くの公園まで走って
来ていた。


馬鹿だ。ひょっとしたら、
嫌われてないのかもなんて…。
そんなこと、ある筈ないのに…。
家まで訪ねるなんて最悪。

もう、帰ろう…。


「橘さん!!!」

踵を返したとき、
背後から声がして、
振りかえると、神田がこっちに走って来ていた。

また、中途半端に優しくするの?馬鹿な期待をさせるの?
そんなのもう嫌だ!


私は、走って逃げた。
ミュールを履いていて、うまくスピードを出せなくて、すぐに神田に捕まった。


「待って!!
…って言ってるだろ!!」


「離して!!…離してよ!!」


「離したら逃げるだろ!!…って、怒鳴ってゴメン、さっきのことなんだけど…。」



なに?はっきり言うの?
あんなの迷惑だって、
そんなの直接言わないでよ!!


「もう……やめて…」

また、涙が溢れて止まらない。
もう、何を言っているのかさえ分からない。
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