わたあめ―kimi to hajimete―


「ところで、春兄。」

「ん?」

「お姉ちゃんに、何貰ったの?」

「そういえば………
開けていい??」

神田が尋ねてきた。

まだ見てないのに、
あんなこと言ったの?!
ってか、今!?ここで開けるの?!


なんか、みんな見てるし、ダメなんて言えるわけない…。

「………どうぞ。」


言うと神田は笑顔で紙袋を開けが、中身を見て神田は固まった。

「これ………」


(え、やっぱダメ??
もう貰ってるとか??)



「へぇ―!帽子と革手袋じゃん!どこで買ったの??」


冬哉さんが横から紙袋を覗きながら訊いてきた。

「えっと…街中にある…
『killer』っていうショップです。」

確か、そんな名前の店だった。




店の名前を告げた途端に、神田とお兄さんの目が見開かれていった。


なんで、そんな驚いてるの??



「おい、春。」

「なに…?」

「その2つ俺にくれ。」

「絶対やだ。」


途端に、兄弟喧嘩が始まった。
「くれ」と「やだ」のエンドレスだ。
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