わたあめ―kimi to hajimete―
急展開!?
(…!………カノ!!)
……ん…誰?……
「カノ!起きて!!遅刻!!」
……遅刻?………遅刻?!
ガバッと布団を剥いで飛び起きた。
時計を見ると7時。
(やばい!)
「……もう、休もっか!」
アキがあっけらかんと言った。
「…休む?」
「そ!但し、特課だけ!!」
「そう…だね…。」
「カノ…、
お店で何かあったでしょ?
帰ってから変だよ…。」
心配そうな眼差しを見て、私は話すことにした。
「昨日ね、バイトが終わって、
お店の人が声を掛けてきたの…リストバンドを見てね、その人言ったの…『彼氏出来た?』って。その後ね、私…言ったの…『一生、彼氏はつくらない』って。そしたら、分かんなくなった…。
『綾乃』は、彼氏を「つくらない」んじゃなくて「つくれない」でも、『香弥乃』は??あの時、言ったのは『綾乃』としてなのか『香弥乃』としてなのか分かんなくなったの…。」
そう…。分からなかった。
あの時、『私』はどっちだったのか……。
「ねぇ、カノ…。
カノは店で、徹底して
『綾乃』をしてるよね?」
「うん。」
「じゃあ、バイト先の人とも
『綾乃』として接してるよね?」
「もちろん。」
「じゃあ、その言葉は『綾乃』の言葉だよ。『香弥乃』じゃなくてね!」
「アキ……」
「ほら!支度して!!
さすがに1限遅刻はまずいから!!」
「うん…。そうだね…。」
私は急いで支度して、
学校に向かった。