わたあめ―kimi to hajimete―


「お疲れ様です!
お先に失礼します!!」


「お疲れ様〜♪」


今日も失敗はなかった!
明日も頑張ろう!!


裏口を出て、表に出ると
何故か人影が座っていた。


(もしかして、
体調とか崩してる?)


「あの…
どうかされたんですか??」


人影に話しかけながら
近寄っていくと、その人影は見知った人物だった。


(この人…killerの…)


「こんばんわ
どうかされたんですか?」

「こんばんは
あのさ、一緒に帰らない?
俺、車で着てるし、送るよ」

…は?何言ってんの??
しかも、なんで照れてんの!?

「申し訳ございませんが
夜行バスで帰宅したいので失礼します。」


一礼して駅に向かう。



「待って!
じゃあ、駅まで送るよ!!」

なんで追いかけてくるの!?

「申し訳ございませんが、
1人で大丈夫です。では。」


「待って!!」


「キャッ!!」

肩を掴まれてぐいっと引っ張られた。


「何を…」

「オレ、結城 啓一!!
オレと付き合って下さい!!」


……はぁぁぁぁ?!


「お断りします。
見ず知らずの方とお付き合いする趣味は持ち合わせていません。第一……」


『綾乃』は誰とも付き合わない。


そう言おうとした。


「じゃ、オレのこと知ってよ?
今日は帰るけどまた来るから!!
それじゃ!!」


「え、あの、ちょっ……」


いい逃げするかのように店員さんは走ってどこかに行ってしまった。
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