わたあめ―kimi to hajimete―


なんでいるのよ―――。

「ねぇっ!聞いてる??」



「聞こえてる。神田君こそ学校戻りなよ。」


私は冷めた声で神田春哉に言った。


「橘さんは??」


「今日はもういい。」

「ふーん…じゃあ、俺も♪」


「なんで??」


「べっつに―あっ、ちょっと待ってて!」


そう言って走り去っていき、戻ってきたときには両手にジュースを持っていた。

「はい!どうぞ!」



(ここでいらないってのはやっぱ失礼かな;でも、炭酸飲めないし;)

ずっと、差し出したままなのでとりあえず受け取った。


「ありがとう。」

「どういたしまして♪」

冷たい缶はとても心地よかった。

「あのさ、朝読んでた小説ってもしかして『花シリーズ』の新刊?」

驚いた。まさか『花シリーズ』と言う言葉を彼の口から聞くなんて…。

「そうだけど……。知ってるの?」

「もちろん!だって俺ファンだし♪」
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