わたあめ―kimi to hajimete―


「動物園―――――♪」

ホントにあったんだ!!
やったぁ!!

「橘さん!チケット!!」

「え!?あ、ゴメン…
あ!入場料!!いくら!?」

「いいよ。さ、行こっか!」

神田が手を差し出してきた。

……まさか、
手とか繋ぐの…?

おずおずと手を重ねると握り締められた。



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「うわ――!スゴ――い!!」


初めての動物園は驚きの連続だった。たくさんの動物がこんなに近くにいるなんて!!


「あ!神田君!あれ、何?!」

「どれ?(笑)」

「あの白いラクダ!!」

「あぁ、ラマだよ。」

「へぇ、ラマかぁ〜」


「そんな珍しい?(笑)」


「うん!……って
なんで笑ってんの??」


「いや、可愛いなって…」

「ねぇ、ラマ可愛いよね!」

「可愛いのは橘さんだよ。」


……それ、さっき聞いた。
「そんなお世辞いらない。」

久々に出た冷めた声で、
私も神田も驚いた。


いけない!
一応、デートだった(汗)
とりあえず、話変えよう!

「さ!次行こう!!」


私は繋いでいた手を
ほどいて、先に進んだ。
そうしなければ
いけない気がしたから。



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駅のホーム


「今日はありがとう。」

「いや、こちらこそ。」

「それじゃ。」

「あのさ、また…明日な。」


それに、私は応えることなく電車に飛び乗った。
明日もまた会わなければならないのかと少し憂鬱になりながら、自宅へと向かった。
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