わたあめ―kimi to hajimete―
「お疲れ様です!
お先に失礼します!!」
「「お疲れ様〜♪」」
裏口を出て急いで神田が待っててくれている道まで走る。
「あ……いた!」
視線の先には、
バイクに背を預けてる
神田がいた。
「なんか…
バイク似合ってる…」
思わず、立ち止まって
観察してしまう。
背が高いし、細身かとは思ってたけど、抱き締められると意外に鍛えてるみたいだったし
…って…そういえば、抱き締められたことある…ん…だっけ…あれ、顔熱い……
「…さん!……さん!…香弥乃!!」
「は…ハイ!」
名前を呼ばれて
顔をあげると神田がいた。
「え、今…香弥乃って…」
呼んだ?
…ってなんで神田も顔赤いの??
「あ、ほら、
一応、付き合ってるし…嫌??」
そっか、付き合ってるんだよね…
「嫌じゃ…ない」
「そっか、じゃ、帰ろっか?」
「う、うん。」
なんか、神田の顔見れない…。
「あのさ、ちゃんと掴まってくれなきゃ走れないんだけど…。」
「え?!あ、ゴメン!」
急いで、神田の腰を掴んだけどこれって意外に密着してるんだよね…?
心臓が煩い。
神田に聞こえてませんように―――。
夜風はまだ冷たいけど
神田と出会って二度目の夏が近づいている。