わたあめ―kimi to hajimete―
「ゴメンナサイ!!
片付けが終わらなくて!」
急いで、神田のもとに駆け寄ると笑顔で迎えてくれた。
「いいよ。お疲れ様!
さ!乗って??」
「あ、待って!
お願いがあるの!!」
「…なに?」
「今日から、
またバスで帰ろうと思うの。ほら、もうあの店員さんも来てないし!!明日も学校あるのに、これ以上迷惑かけたくないし!!」
「……じゃあ、金曜日の夜は??」
……………え?
「ほら、金曜なら、次の日休みだから大丈夫だし、
それ以外は駅まで送るってことで…ダメか??」
なんで……
「なんで、そこまでしてくれるの??」
「なんでって言われても…。
ダメか??」
「ダメじゃ……ないけど。」
むしろ、夜道に誰かいたほうが助かるし。
「じゃ、乗って?
バスに乗り遅れるよ??」
「あ、うん。
あ!もう2つある!!」
そうだ!
まだ、言ってないことがあった。
「なに??」
「あ、あのね……」
…何て言えばいいの?
え…っと……
「やっぱ……いい。」
アキに言い方習ってからにしよう。
「気になるんだけど。」
「……明日言う…多分」
「多分って(苦笑)
じゃあ、約束!!」
はい、と差し出された小指に自分の小指を絡ませる。
………………!
「神田君……これ!」
神田の手には私があげた革手袋がはめられていた。
「オレ、ずっと着けてたんだけど…気づかなかった??」
気付きませんでした(汗)
「いつから……?」
「貰った次の日から。
ありがとう。」
そんな前から、
使ってくれてたんだ……。
「こちらこそ、
ありがとう。」
「さ、行くから、
しっかり掴まってね!」
「う、うん!」