わたあめ―kimi to hajimete―
「それで、昨日の続きは?」
「う゛っ」
火曜日だから、
アキがいない……。
(言うしかないよね…)
「あのね!」
「うん??」
「その…
いつも送ってくれてありがとう。」
「え?
いや、どういたしまして……」
「それでね、
あの…名前……」
ヤバイ!なんか心臓煩い。
「もしかして……
やっぱ、呼び捨て嫌だった?」
神田が少し遠慮がちに訊いてきた。
「違っ、嫌じゃないよ!!
でも、あのね!!」
なんて言えばいいんだっけ?!
頭ん中真っ白になってきた。
「落ち着いて、
ゆっくりでいいから」
神田を見るとアキと同じような安心させる笑顔をしていた。
(まず、落ち着いて
深呼吸―――)
「あのね、名前で呼ばれると嫌じゃないけどドキッとして心臓煩くなるの。
アキに言ったら、その解決策がね、その…神田君を名前で…呼び捨てなさいって言うの……」
な、なんか言って!!
……って、なんで赤くなってるの??
「あの……神田君??」
「あ、ゴメン!名前ね、
いいよ。呼び捨てで。
俺も香弥乃って呼ぶし。」
「あ、うん…。」
なんか、名前で呼ばれるのってドキドキする…。
「言ってみて?」
「今?!ここで?!」
そんな急に!?
「うん、今。」
神田の意地悪!!
「は…春……哉…」
「もう一回。
今度はちゃんとこっち見て」
「……っ、春哉!!」
呼んだあとの神田は
多分今までで一番の
微笑みを浮かべていた。
「よく…出来ました。」
やっぱ、意地悪だ!!