わたあめ―kimi to hajimete―
昼休み―。
「悪い!遅れた!!」
勢いよく、扉を開けて
神田が屋上にきた。
「いいよ。別に。」
遅れたって、10分くらいだし。
「ほんと、ごめん…」
「いいってば。
それより、食べよ?」
「あ、うん。
ってか今日も暑いな〜」
「夏だからね。
なんか、甘い香水つけてる?」
この香り、確か…
「やっぱ、匂う?」
なんで、匂う?って言いながら
腕に鼻寄せるかな??
犬っぽい……
「なんで、頭撫でてんの?」
「なんか犬っぽくてつい(笑)」
「いいけどね…」
「その香水って、
斎藤さんのでしょ??」
「……なんで分かんの??」
「私、五感いいから。」
「どっちが犬っぽいんだよ。」
「神田君だよ?外見とか(笑)」
「名前の呼び捨ては?
"香弥乃"」
…………っつ!
「"春哉"は意地悪な犬だと思う…」
「よく出来ました(苦笑)
じゃあ、香弥乃は小型犬だな。」
「そんなに小さくない!!」
「小さいよ?(笑)」
「は…春哉が大きいの!!」
「はいはい。
今日も迎え行くから。」
「………無免許。」
「悪かったな!」
そんな怒鳴らなくても聞こえてるのに。