わたあめ―kimi to hajimete―


チャポン―


「ふ――…♪」

まさか、和君の予想が
当たるなんて……

「今年も歌うかな…」

お姉ちゃんに届け…

〜♪♪〜〜〜〜


(お姉ちゃん、届いてる?
私ね、アキも和君も大好きなの。でもね、あの2人のために生きようとはどうしても思えない。
なんでだろ…大好きなのにね)


〜〜〜〜〜♪


「ちゃんと、届いたかな…」


そういえば、去年ここに
神田いたんだっけ??

(今年も居たりして…)

ちょっと、岩陰覗いてみよう。







「…………………居た…」

岩陰を覗くと去年みたく
真っ赤になった神田がいた。


「もしかして、去年と同じ理由?」


「………そう。」


………やっぱり…

そうだ!


「昼間はゴメンね…」

謝るなら今だな。

「なにが…?」

「期限の話した後から、
ずっと、笑ってなかったから、
あぁ、またなんか言い方間違ったのかなって。」


「ちゃんと、笑ってた筈…」


「うん、顔はね。でも、いつもと違う笑顔だった。」


「いつもって?」

「いつもはね、人懐っこくて温かくて、安心する笑顔なの。でも、今日のはなんか…不安な笑顔だった。」




「……あのさ、悪いけど向こうに行ってて?」


「……え?…あ、ゴメン。
すぐあがるね…。」


どうしよう…。今度は何を間違えたんだろう。

早く、あがらなきゃ!





淵に手をかけてあがろうとしたとき、背中の傷跡がひきつけをおこして
激痛がはしった。
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