わたあめ―kimi to hajimete―
文化祭
残りの夏休みもあっという間に過ぎて二学期が始まった。
「今日は、いい加減に文化祭の出し物を決めるから何か意見のある奴いたら言え―。」
文化祭かぁ。面倒だな…。
「はい!」
「斎藤、」
「フリマとかどう?
それぞれがもう着なくなった服とか使わなくなった小物とか売るの!」
周りから拍手があり、
文化祭の出し物が決定した。
「じゃあ、係決めをする。
売り子と看板と大道具と
…他になにかあるか??」
和君って…
やっぱ先生なんだなぁ。
「スタイリストとか!
着回し方を教えたりするの!」
斎藤さん…凄い積極的だな…。
「よし!じゃあ、各自で係決めをしてくれ。先生は職員室にいるから。」
係決めの結果…
私は、看板。
アキと神田と斎藤さんは
スタイリストになった。
文化祭までの準備期間のバイトは休みを貰っているから大丈夫だし。
さて、何をフリマに出そう…
「クラノさんは何も持ってこなくていいからね。」
斎藤さんが私の席まで来た。
いや、そんな後ろに女子連れて来なくても…
ってか、なんで?
「どうして?」
「だって、クラノのって
ダサいのしか持ってないでしょ(笑)」
「「そうそう。(笑)」」
「お前らヒッデーな(笑)」
「だって、そうでしょ(笑)」
「確かに(笑)」
クラスで笑いがおこった。
ただ2人、アキと神田は笑っていなかった。
「じゃ、クラノさん!
そういうことで!!
よし!帰ろ―――♪」
斎藤さんが先頭をきって次々とみんな帰って行った。勿論、アキと神田も。