わたあめ―kimi to hajimete―


文化祭当日。


「こんなんでいいの?」

「上等!上等!」

アキ…、妙に張り切ってない?

「じゃ、説明するね!
今日は、ハルの彼女で
名前は『カノ』。
私とは親友なの♪」

「そのまんまじゃん(苦笑)」

「下手に芝居するより
この方がボロ出ないでしょ?」


「確かに(笑)」

「じゃあ、午前は私と廻ろうね♪」

「うん♪」

やった!アキと文化祭廻れるんだ!!これだけは神田に感謝しなきゃ!





「アサキ―!隣のコ、誰―?」

「友達―♪」


廊下や他のクラスの出し物を見に行く度に同じやりとりがあって、アキの有名度がよく分かった。

「アキ、なんか楽しそうだね?」

「うん!だって、こんな風にカノと学校歩くの久々じゃん!嬉しくって♪」

「私も…、
アキと学校歩けて嬉しいよ♪」


「カノ…、大好き!!」

「私も大好き!!」


「あ!そろそろ、交代の時間だから教室行こっか?」


アキ、そんな名残惜しそうな顔しないで(苦笑)


「うん…。カノ、大丈夫?」

「え、あ、うん…」

どうしよう…、手が震えてきた……もし、バレたら……

「カノ、大丈夫だよ!
私はカノの味方だから!」

「アキ…、ありがとう。」


「よし!出―発!!」


アキ…、私もアキの味方だからね。
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