わたあめ―kimi to hajimete―


「…ったく、あいつら〜…」

「あの、は…春哉…速い!!」


足の長さとか違うんだから、
そんな早歩きしないでよ!


「あ、ゴメン!ってか、
大丈夫だったな!!」

「あ、うん………」

なんだろ…
なんか引っかかってる。
嫌な予感がする…


「カノ?どうした??」


「ううん…。
それより、その先輩のクラスに行こ!!」

何でだろ…。早くアキに会わなきゃいけないような気がする。

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「本当にいたのね…」

「はい。」

「そっか、教えてくれて
ありがとう。」

神田に告白した3年生は
そう言ってクラスに戻っていった。

「ふぅ…、ゴメンな?
付き合わせて……。」

「いいよ。それより教室戻ろう。」

「なんで?せっかくだし
もう少しこのまま…」

「嫌な予感がずっとしてたの。
それがなんなのか分かったの。」


「嫌な予感……?」

「彼女だって言った時に、
違和感があったの…
男子達はみんなからかってたけど…女子の……
斎藤さんのグループの女子は笑うことなくアキのことずっと睨んでた…」

そう、斎藤さんのグループは神田を好きなコが多い。アキは誰にでも頼られる存在だから、きっと相談とか受けてた筈だ。
それなのに、アキの親友の私が神田と付き合ってるなんて知ったら…

「よく、分かんないんだけど…」

「アキを探そう。」

「なんで?」

「女の嫉妬は怖いから!」

そう言ってすぐに私は
走り出した。

まず行くのは教室。


神田が後ろから追いかけてきてるけど、今は止まってあげるのは無理だ。

女の嫉妬ほどネチネチでドロドロなものはないだろうし。裏を返せばそれだけ、アキを頼ってて、神田のことも好きなんだろうけど……。
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