わたあめ―kimi to hajimete―
アキは教室にはいなかった。
斎藤さん達と売り子をしに行ったらしい。
「どうしよう…」
アキ!今どこにいるの!?
「落ち着け!!」
「…は、春哉…、
アキになにかあったら…」
「大丈夫だ。今日は文化祭で空いてる教室はないし廊下も階段も人でいっぱいだ。人気がない場所っていったら1つしかない!」
……………………!
「プール裏!!」
「そうだ。行くぞ!!」
「うん!」
アキ!すぐ行くからね!!
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「……いた。」
「どこ?!」
「ちょぃ待て!
なんか話してる!!」
………え?
耳を澄ませると、
会話が聞こえてきた。
「アサキさぁ、ヒドくない?」
「……なにが?」
「洋子がハルのこと好きなの知ってるでしょ?!
なのに、なんであんなコ紹介してんの?!」
「あ、あたしは、アサキだから諦めたのに……っ」
「洋子…、
アサキ!どう責任とるつもりよ?!」
「どう…って言われても。
……例えば??」
「別れさせなさいよ!!
あんなコ!ハルが可哀想!!」
バシッ!
「ゴメンね〜頬に蚊がとまってたから!」
「アサキ!あんたねぇ!!」
「あたしの前でカノを
侮辱するのは許さない。
今度、あんなコなんて言ったら痛い目見せるよ。」
「は!ふざけんじゃないわよ!!」
バシッ!
「いったぁ〜…」
アキ!
アキが斎藤さんに平手打ちされて、私は頭の中の糸がプツンと切れた音を聞いた。