わたあめ―kimi to hajimete―

……え??…今なんて??

思わず､ぽかんとした私に対して佐藤君は真剣な顔をして私を見ていた｡

｢オレ…､綾乃さんが好きです｡付き合ってください!｣


｢な……なに言ってるの､そんな冗談言わないでよ……｣

｢冗談なんかじゃない!!｣

｢さ…佐藤君…?｣

今､目の前にいるのって
本当に佐藤君なの?

｢オレは綾乃さんが好きだ!!｣


本当に私を好きなの……?
だとしたら…『私』が『綾乃』が出す答えは1つだよ｡


｢ありがとう､佐藤君｡
私なんかを好きになってくれて､とても嬉しい｡｣


｢じゃあ!!｣


｢ごめんなさい｡
佐藤君の気持ちには答えられない｡｣


｢なんで……
オレのこと嫌い??｣


｢嫌いじゃないよ｡｣

｢だったら……!｣


｢愛してる人がいるの｣


｢………え?
だって､彼氏はいないって…｣


｢彼氏じゃないの…｣

雅君とお姉ちゃんは結婚していたから｡

｢それなら､オレにもチャンスを下さい!!｣


ゴメンね……


｢それはできない｡
誰か､他の人を好きになって｣



｢なんで?!オレが綾乃さんを好きでいるのはオレの自由だろ?!｣


｢…確かに…そうね…
でも､これだけは言っておくね?私はこの先ずっと､佐藤君と付き合うことはないわ｡｣


だから､誰か他の人を好きになって｡


｢オレを好きになることは…｣


｢ないよ｡｣

今､ハッキリ言ったほうが佐藤君のためだよね…?


｢それは､オレが綾乃さんより4つ上だから?｣