わたあめ―kimi to hajimete―
「カノはハルのこと好き?」
「嫌いじゃないよ?」
これは前にも、言ったけど…
「そうじゃなくて、恋愛の好きかってこと!」
「…恋愛の好き?」
それが分からないから困ってるんですけど…。
顔に出ていたんだろう。アキが一つため息をついた。
「じゃあ、一昨日聞いたこと覚えてる?」
『気づいたら目で追っていたりとか…、その人の仕草でドキドキしたり』
「あの時、頭に浮かんだのは誰?」
頭に浮かんだのは……
「……神田君」
そう、あの時頭に浮かんだのは神田だった。
いつも助けてくれた。あの笑顔が眩しかった。声を聞くとドキドキした。抱き締められると安心した。
あぁ、そうなんだ…
私は………
「カノ、もう一度訊くね?
ハルのこと好き?」
「…………うん」
私は神田が好きなんだ…。