わたあめ―kimi to hajimete―


前みたいに、誰とも関わらずに、ただ静かに時間が進むだけ。



神田にももう関わらずにすむ。




ううん。きっと前より静かになる。神田ももう二度と私に話しかけてはこない。





「そんなの…嫌だ」





私は門をくぐった神田の襟首を勢いよく引っ張った。




ぐいっ―――




神田を門越しに掴んだ。


瞬間――




「好きなの!」




神田の耳元に向かって叫んでいた。
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