わたあめ―kimi to hajimete―
ぐぅぅ〜……。
……………あ。
音のした方を見ると、
アキが真っ赤になっていた。
「………お腹すいた。」
腕時計を見ると8時を過ぎていた。
「アキ……。」
「仕方ないでしょ!お昼もまともに食べてないんだからね!!」
「帰ろっか♪」
「うん!」
「ねぇ、アキ」
「うん?」
「ありがとう。」
「どういたしまして♪
それに貴重なものも見れたしね♪」
「えっ?」
貴重な、もの……???
「気づいてないみたいだから言うけど……カノさ、ずーっとそのまんまだったんでしょ??」
「どういう意味?」
「伊達メガネどした??」
………え?
顔を触って見る。
ない…メガネが!!
ベンチに置いたままだ!!
「取ってくる!!」
「ないと思うよ♪」
えっ?
アキを見るとなぜか笑顔だった。