わたあめ―kimi to hajimete―
ハジメテ。
「あの、さ、」
どのくらい時間がたったのだろう。
長いようで短い時間のなか、先に声を発したのは神田だった。
「な、なに!?」
思わずドキッとしながらカノは神田を見る。
(…顔……熱い…。)
「夢じゃ…ないよな…?その…」
チラッと握り締めている手を見て神田の顔が少し赤く染まる。
「えっと………うん。」
そう、夢じゃない。
神田にさっき告白したんだよね……。私。
神田を見ると口元に手をおいて俯いていた
…………………?
「あの、神田君?」
「また名字に戻ってる。」
「……あ、その、
春……哉?」
やっぱりまだ恥ずかしい…。