わたあめ―kimi to hajimete―
えっ?
私は走りながら、
変な顔になった。
「だってさ、普段誰にも、感情なんてださないで常に冷めた顔で接してるカノが、ハルに対しては感情だしてるでしょ。」
「そんなこと……っ!!」
「それに、メガネもだよ!
普段は絶対に外さないでしょ?
外していたとしてもすぐにつけるじゃない。
……違う?」
その通りだった。
普段の私なら絶対にメガネを外すことも、感情を表に出すこともなかった。
それに―――
「それに!浅くしか眠ることが出来なくて、
人の気配がすると絶対に起きるカノが、ハルの前で30分近くも寝るなんてね〜(笑)」
頭の中が真っ暗になっていった。
もうアキの言葉が入ってきてはいなかった。
「次から…気をつける。」
後のことはよく覚えていない。帰宅して、ご飯食べて寝たんだと思う。
ただ覚えているのは、
頭の中でずっと、繰り返していた言葉だった。
――こんなの私らしくない――。