わたあめ―kimi to hajimete―


「断る。」



口から出た言葉の冷たさに自分でも驚いた。



「じゃあ……返さないよ?
いいの??」



正直、困った。
あのメガネはアキから貰ったものだから。




(あとで、隙みて取り返せればいいんだけど……。)



そんな隙をつくるような奴じゃないと思った。




「じゃあ〜…、呼んでくれるまで俺が付けとくね♪お揃いだね〜♪」




は!?
なんで、そうなる?!






そう思っているあいだにも神田春哉は私のメガネを付けていた。





その瞬間、
私のなかで何かが切れた。


バシッ!!!



私は神田春哉の前に行き、
平手打ちをしていた。



平手打ちをした後、
すぐに呆然としている神田春哉の顔からメガネを取り返すことが出来てホッとした。




「これに―――」



触るな。と言おうとした時、後ろから悲鳴が聞こえてきた。

振り返ってみると、
ドアのところにクラスメートとがいた。

(確か…名前は……斎藤由紀だっけ……。)


斎藤さんはしばらく立ち尽くしていたけど、私を睨みつけながら神田春哉に駆け寄っていった。
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