わたあめ―kimi to hajimete―


「なに?」


私は彼に向き直って
問いかけた。



「あのさ、え〜っと……」


なぜか目が泳いでいる。

「なに?もう行かなきゃなんだけど。」


今から着替えて、
軽くメイクしてギリギリ間に合う感じだったため早く話してほしかった。


「あのさ、着替えた後の鞄どこに置いておくの???」




えっ!?




「あっ!!」



(しまった。今学校の鞄だった。)



着替えて駅のロッカーにいつもなら置くが今日はそれが出来ない。


「…どうしよう。」



このままじゃ、遅刻のうえ、年齢を誤魔化していることもバレてしまう――――。



「俺が預かっとこうか?」

「………は?!」


なにを??


声に出していたのだろう。


「橘さんの鞄、俺で良ければ預かっとくよ!」
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