わたあめ―kimi to hajimete―
cafe&bar
『welfare』
私はここでホールスタッフをしながらピアノを弾かせてもらっている。
まぁ、ほとんどホールで金曜日の夜にちょっと弾く程度だ。
昼間はcafe。
夜はbar。
昼と夜で雰囲気が変わるこの店をわたしは気に入っている。
スタッフもみんないい人ばかりだ。
今日は木曜日だから、
ずっとホールで動きまわって、お店が閉まるのは
A.M 00:00を過ぎ、それから片付けや掃除があって店を出るのはA.M1:00を過ぎていた。
「お疲れ様でした。
お先に失礼しまーす!!」
私はスタッフ全員に声を掛けてから店を出た。
辺りは真っ暗というわけではなくて、向かい側の道路の奧ではホスト達がキャッチしている。
空を見上げても星なんか全然見えなくてなんだか少し憂鬱になってしまう。
これから、駅まで歩いて夜行バスに乗って家まで帰るのが普段の帰り方だ。
でも、
今日はちょっと違う。
私は急いで駅まで行き
辺りをキョロキョロする。
すると、ホーム前の入り口付近で手を振っている人影を見つけてそちらに向かう。