わたあめ―kimi to hajimete―
人通りの少ない道路をバイクは安全運転で走っている。
手を腰に巻きつけているから自然と体が密着していて、
ふと気づいたことがあった。
(背中広いな……。)
夜風は少し寒かったけど上着を借りていたし、
体が密着しているから体温が伝わって心地いい。
そんなことを思いながら身を任せていたら、
前の方から声を掛けられた。
「ねぇ!こっからどういけばいいの!?」
「………なに?!」
(ヤバい!完全に安心してた!!)
いつの間にか学校の前まで来ていて、バイクは止まっていた。
「えーっと、このまま真っ直ぐ行くと脇道があるからそこに行って少し行くとお店があるから、そこで降ろして。」
完全に家を知られるわけには行かないから、歩いて10分くらい手前の店の場所をつげた。
「分かった。」
彼はそういうと
再びバイクを走らせた。