わたあめ―kimi to hajimete―
バイクは私が言った店の前で止まった。
「ここでいいの?」
「うん。もうすぐそこだから。」
私は借りてた上着を脱ぎながら返事をした。
「これ、ありがとう。」
「どういたしまして!」
渡した上着を早速着ているところから、かなり寒かったことが分かった。
(なんか、悪いことしたな……
そうだ!!)
「ちょっと、降りて。」
「え?なんで??」
「いいから!」
「あ、うん。」
私は神田君をお店の前の自販機に連れて行った。
このお店に自販機は2つあって、片方は季節ごとに変わるけどもう片方は一年通して、hotとcoolがある。
季節の変わり目が一番売れるんだ。と店主が言っていた。
私は鞄から財布を取り出して、
「どれか選んで。」
普段なら、絶対に口にしない言葉を神田君に言った。