わたあめ―kimi to hajimete―
「えっ?」
神田君はもともと大きな目をさらに大きくして驚いていた。
「送ってくれたお礼。」
「別にいいのに。
俺が無理言って送ったんだし。」
(確かにそうなんだけど……。
あーもう!こんな時どうすればいいの!?)
悩んでも答えが出そうになかったから正直に言ってみた。
(私のせいで―)
「風邪引かれても困る。」
俯いて言ったからちゃんと聞こえたのか心配になり、見上げてみると
真剣に自販機を見ている神田君の姿があった。
「あのさ、これでいい?」
私はすぐに小銭を自販機に入れてそれを彼に渡した。
「サンキュ!」
受け取ってすぐ半分ほどを一気に飲んでポケットにしまっていた。
(早ッッッ!!!)
あまりの早さに目が点になった。
その時、
突然携帯が鳴りだした。
『アキ』
私は急いで神田君から離れて電話に出た。