わたあめ―kimi to hajimete―
「スミマセン……っ
誤解なんです。」
さっきとは違う涙が目に溜まっていた。
拭いながら神田のお母さんに説明する。
「私、神田君に助けてもらったんです。」
「………へ?」
「だから話聞けよな。」
神田は呆れたように殴られた頬をさすりながら言った。
「神田君…その手…。」
さすっていた手を見ると赤くなっていた。
「あぁ、たいしたことないよ」
言ってその手を見えないように隠された。
「手当てするからこっちきて。」
「……へ?」
「早く!」
「あ、あぁ」
驚いた顔をしながらも差し出された手を見て、手当てをする。
「ごめんなさい……」
申し訳ない気持ちでいっぱいだ。助けてくれてケガまで……っ
「別にいいよ。
こんくらいたいしたことない。」
平気平気♪
そう言って笑う神田に少しホッとした。