わたあめ―kimi to hajimete―


―翌朝―


目覚ましの音で目を覚ました。


「……ん」


見知らぬ天井が視界にはいる。


「ここ…は……」

昨夜泊まったんだっけ…。


「…ん、朝……?」


「あ、ゴメンね。
起こしちゃった??」


「おはよう。お姉さん。」


「おはよう。雪君」


昨夜は雪君の部屋に泊めてもらった。


「起きよっか」


「うん。足大丈夫?」


「ありがとう。大丈夫だよ。」


(可愛いなぁ)

目をこすりながら足のことを気遣ってくれる仕種がとても可愛い。


「お姉さん、
僕、着替えたいから…その…」


「あ、そうだね…」

慌てて部屋を出ようと立ち上がる。

「あの、泊めてくれてありがとう。」


そう言って廊下に出るとお兄さんとバッタリ会った。


「おっはよ♪よく寝れた?」


テンション高いな―…


「おはようございます。
昨夜はすみませんでした。」


「いいよ〜でもどうせならオレの部屋に泊まってよかったのにぃ〜」


「はぁ……」


見た目は兄弟みんなそっくりだからきっとこの人もモテるんだろうなぁ〜

思わず見上げて見てしまう。


「そうだ!
今日はオレの部屋に泊まりなよ♪」



な、なにいってるのっ



「あの、もう帰るんで!」


「いいじゃん!
あと1日くらい♪」



(よくなぃぃぃ〜…)


「てかホント可愛いよね〜
オレと付き合わない?!」


顎を持ち上げられる。


触れられた瞬間、昨日のことがフラッシュバックしてきた。


馴れ馴れしく触れてくる手。
話し方。



―――嫌ッ!触んないで!!
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