わたあめ―kimi to hajimete―
神田が戻って来るまでお母さんと色々な話をした。
内容は勿論神田のこと
カチャッ
「なに話してんの??」
神田が服をいくつか手にして戻ってきた。
私とお母さんはお互いに目を合わせて笑った。
「なに?」
「春、そういえば成績表まだ見せて貰ってないわよ。(笑)」
お母さんは笑いをこらえてそうきりだした。
「喋ったな……。」
「ごめんなさい。
だって、神田君クラスのこととかあんまり話してくれないってお母さんが…。」
「そうよ〜
だから聞いたの!
香弥乃ちゃんありがとね!
いろんなこと教えてくれて♪」
「なに話したのさ…」
「内緒よ!ね――♪」
「はい(笑)」
「……ったく、
これ、着替え。
廊下で着替えてこれる?」
「あ、ありがとう。」
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―カチャッ
「あの〜…」
「あ〜やっぱ大きいね……。」
「うん……。」
上はダボダボ
下はジャージだからずり落ちることはないけど丈が長いから躓かないように歩くのが大変。
「あら、ホントに。
歩いて帰るのは無理そうね。」
「あ、迎えにきてもらおうと思ってるので大丈夫です。」
「そう?
良かったら送るわよ?」
「いえ、大丈夫です。
あの、ホントに昨夜はお世話になりました。」
「そこまで送るよ。
迎えはどの辺に来てもらうの?」
「近くの公園に。」
「じゃぁそこまで送るよ。
母さん、ちょっと出てくる。」
「寄り道しないで帰りなさいね。課題まだしてないんでしょ。
香弥乃ちゃんまたね!」
「お邪魔しました。」
「この靴はいていいよ。」
「あ、うん」
わ、大きい……。
歩くとかぽかぽ音が鳴るスニーカーをはいて公園に向かった。