わたあめ―kimi to hajimete―
「橘さ…」
〜〜♪
携帯が鳴りだした。
「はい…」
『オレだ。着いたぞ。
公園のどこだ?』
「自販機の隣にあるベンチのとこ…」
『分かった。
世話んなった人まだいるか?』
「うん、いるよ……って
ダメ!!」
『ダメって…
世話んなったんだろ?
ちゃんとお礼言わなきゃいけないだろうが。』
(まずい!
鉢合わせちゃう!!)
「そ、それはもうちゃんと言ったからいいの!!
私がそっちに行くから!!」
慌てて駆け出した――
ズキンッ!!!!
「……い゛っつ〜」
(足…痛い……っ!!)
その場にうずくまる。
「橘さん!!」
神田が駆け寄ってくる。
『おい!どうした!?』
「…なんでもない…っ」
「支えるから、座って。」
神田に支えられながらベンチに座る。
「ちょっと電話貸して。」
………え!?
言いながら、神田は私の手から携帯をとって話し始めた…