わたあめ―kimi to hajimete―
ご飯を頂いたあとは、
なぜか雪君の夏休みの宿題を見てあげることになった。
「分からないとこがある。」
って、しょんぼりと言われたらつい、
「私でよければ教えるよ?」
なんて言ってしまった(笑)
(だって、雪君可愛いし!)
そんなこんなで雪君の勉強を見ていて気づいたことがあった。
「雪君…呑み込みいいね。」
「雪、良かったじゃない!」
「お姉さん、教え方上手だもん。」
えへへ、と笑う雪君はとても嬉しそうな顔をした。
「やった―♪
宿題終わった〜♪」
時計を見ると4時とっくに過ぎていた。
(長居しすぎちゃった!)
急いで時間を計算し始めた。
えっと、ここからバス停までが5分でバス停から駅までがバスで約30分だから……
うん!今なら間に合うかな。
「すみません。
そろそろ失礼します。」
「お姉ちゃん、
もう帰るの??」
「うん、これからバイトなの。」
「まぁ!ごめんなさい。
かなり引き止めちゃって…」
「いえ、とても楽しかったです。それじゃ」
「また来てくれる?」
私は応えず、雪君の頭を撫でてから神田家をあとにした。